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2024.04.15

特定技能試験とは?概要や合格するためのポイントを紹介

2018年に改正出入国管理法が可決され、在留資格の特定技能が新たに創設されました。特定技能とは、一定の技能や専門性を持った外国人のみが取得できる在留資格です。企業は特定技能を取得した外国人(特定技能外国人)を受け入れることで、即戦力となる人材を確保できます。

しかし、特定技能を取得するには、所定の特定技能試験に合格しなければなりません。本記事では、特定技能試験の概要や日程、申込方法、合格するためのポイントについて解説します。

特定技能試験とは?

特定技能試験とは?概要や合格するためのポイントを紹介_解説イラスト

特定技能試験とは、日本での就労を希望する外国人労働者が、在留資格の特定技能を取得するために受験する必要のある試験です。2020年4月1日から受験資格が拡大され、何らかの在留資格を取得して日本に在住している方は、一律に特定技能試験を受験できるようになりました(※1)。

在留資格の特定技能には、介護分野やビルクリーニング分野など、合計12の分野(特定産業分野)があり、それぞれ試験内容が異なります。

  1. 介護分野
  2. ビルクリーニング分野
  3. 素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業分野
  4. 建設分野
  5. 造船・舶用工業分野
  6. 自動車整備分野
  7. 航空分野
  8. 宿泊分野
  9. 農業分野
  10. 漁業分野
  11. 飲食料品製造業分野
  12. 外食業分野

また特定技能は、特定技能1号と特定技能2号の2種類の在留資格があります。特定技能1号を取得するには、原則として日本語試験と技能試験の両方に合格しなければなりません。

一方、特定技能2号は技能試験に合格すると取得できます。ただし、一定レベルの実務経験が求められる分野もあるため、各分野の所管省庁のホームページなどで試験実施要項を確認しましょう。

特定技能 試験
特定技能1号
  • 日本語試験
  • 技能試験

※技能実習2号を良好な成績で修了した人は試験が免除される

特定技能2号
  • 技能試験

※一定レベルの実務経験が必要な分野もある

 
また分野によっては、特定技能1号と特定技能2号で技能試験が分かれている場合があります。試験日程もそれぞれ異なるケースがあるため、特定技能試験の概要や日程、申込方法などの情報を分野別に確認することが大切です。

※1 出入国在留管理庁「試験関係」

【分野別】特定技能試験の概要・日程・申込方法

ここでは、特定技能試験の概要・日程・申込方法について、対象となる分野別に詳しく紹介します。

介護分野

介護分野では、介護技能評価試験と介護日本語評価試験の2つの試験が実施されます。なお、介護分野が対象となるのは特定技能1号のみで、特定技能2号に介護分野はありません。

介護技能評価試験 介護日本語評価試験
試験内容 学科試験:40問・実技試験:5問 全15問
試験時間 60分 30分
実施方法 コンピューター・ベースド・テスティング(CBT方式)
受験手数料 1,000円程度 1,000円程度

 
介護分野の試験は、国内試験と海外試験の2種類があり、海外試験ではフィリピン、カンボジア、ミャンマー、モンゴル、ネパール、インドネシア、タイ、インド、スリランカ、ウズベキスタン、バングラデシュの会場で受験できます。

それぞれの試験日程は、所管省庁である厚生労働省のホームページで公開されているため、最新の情報を入手しましょう。試験の申し込みや、受験料(バウチャー券)の購入も厚生労働省のホームページから行えます。

ビルクリーニング分野

ビルクリーニング分野の試験は、全国ビルメンテナンス協会が実施するビルクリーニング分野特定技能1号評価試験です。ただし、ビルクリーニング職種において技能実習2号を修了した方は、試験を受ける必要はありません。

ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験は、国内試験だけでなく、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、カンボジアの試験会場で受験することが可能です。

各試験会場の日程は、全国ビルメンテナンス協会のホームページで随時更新されています。また試験の申し込みも、全国ビルメンテナンス協会のホームページに掲載されたリンクから行いましょう。

素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業分野

素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業分野の試験は、製造分野特定技能評価試験です。特定技能2号の対象分野の拡大に伴い、従来の製造分野特定技能1号評価試験に加えて、新たに製造分野特定技能2号評価試験が実施されています。

製造分野特定技能1号評価試験は国内試験の他、インドネシア、タイ、フィリピン、ネパールの試験会場で実施されていますが、製造分野特定技能2号評価試験は現時点で日本国内での実施のみです。

  • 水戸会場
  • 浜松会場
  • 仙台会場
  • 岐阜会場
  • 福岡会場
  • 名古屋会場
  • 広島会場
  • 東京会場
  • 金沢会場
  • 大阪会場

各試験会場の受付は、試験の1カ月前を目安として始まります。経済産業省のホームページなどで実施日程を確認し、申し込みを行ってください。

建設分野

建設分野では、建設分野特定技能1号評価試験、建設分野特定技能2号評価試験の2つの試験が行われています。取得したい資格に合わせて受験しましょう。

建設分野の試験は、日本国内の会場の他、フィリピン、カンボジア、モンゴル、インドネシア、タイ、ウズベキスタン、スリランカ、インド、バングラデシュの会場で実施されています。

試験の申し込みは、建設技能人材機構(JAC)のホームページで会員登録を行い、「マイページ」から行うことができます。また受験に当たって、スマホアプリのJAC ExamFormのインストールが必要です。

造船・舶用工業分野

造船・舶用工業分野では、造船・舶用工業分野特定技能1号試験、造船・舶用工業分野特定技能2号試験の2種類の試験が行われています。

特定技能試験 出題分野
造船・舶用工業分野特定技能1号試験 溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立て
造船・舶用工業分野特定技能2号試験 溶接

 
試験実施機関は日本海事協会(ClassNK)です。試験日程の確認や、受験申請書のダウンロードは日本海事協会のホームページで行ってください。

自動車整備分野

自動車整備分野では、日本自動車整備振興会連合会(日整連)が実施主体となって、自動車整備分野特定技能評価試験が行われています。試験は学科試験と実技試験の2つのセクションがあり、それぞれの科目は以下のとおりです(※1)。

学科試験
  • 構造、機能及び取扱法に関する初等知識
  • 点検、修理及び調整に関する初等知識
  • 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識
  • 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
実技試験
  • 簡単な基本工作
  • 分解、組立て、簡単な点検及び調整
  • 簡単な修理
  • 簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

 
技能試験の実施回数は年2回以上です。日本国内の試験会場の他、フィリピンで試験を受けられます。日本国内の受験料は4,300円(税込)、フィリピンにおける受験料は2,000PHP(フィリピン・ペソ)です。

※1 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会「特定技能評価試験」

航空分野

航空分野には、空港グランドハンドリングと航空機整備の2つの業務区分(労働者が従事できる業務の区分)があります。特定技能評価試験も業務区分によって2つに分かれています。

  • 特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)
  • 特定技能評価試験(航空分野:航空機整備)

試験日程や申込方法は、実施主体である日本航空技術協会(JAEA)のホームページを確認してください。

宿泊分野

宿泊分野では、宿泊分野特定技能1号評価試験と宿泊分野特定技能2号評価試験の2種類の試験が行われています。特定技能2号の対象分野の拡大に伴い、2023年には宿泊分野特定技能2号評価試験の第1回が実施されました。

試験の実施主体は宿泊業技能試験センターですが、2024年2月20日から申込方法が変わり、試験日程の確認や申し込みはプロメトリック社のホームページから行う必要があります。

農業分野

農業分野では、1号農業技能測定試験と2号農業技能測定試験の2種類の試験が行われています。

試験内容は、耕種農業と畜産農業の2つのセクションに分かれており、従事する業務に合わせて選ぶ必要があります。試験勉強には、実施主体である全国農業会議所が公開している学習用テキストが便利です。

試験勉強は、実施主体である全国農業会議所が公開している学習用テキストが便利です。試験日程の確認や申し込みは、宿泊分野の特定技能試験と同様にプロメトリック社が運営する予約受付サイトから行ってください。初めての方は、予約受付サイトの利用に当たってプロメトリックIDの取得が必要です。

漁業分野

漁業分野では、大日本水産会が実施主体となって、1号漁業技能測定試験、2号漁業技能測定試験の2種類の試験が行われています。

農業分野の試験と同様に、従事する業務に合わせて、漁業か養殖業のいずれかのセクションを選択する必要があります。

試験は日本国内の会場の他、インドネシアの会場で行われており、それぞれ申し込み先が異なるため、大日本水産会のホームページで確認してください。

飲食料品製造業分野

飲食料品製造業分野では、飲食料品製造業分野特定技能1号技能測定試験、飲食料品製造業分野特定技能2号技能測定試験の2種類の試験が行われています。

試験の実施主体は、外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)です。2024年の国内試験の年間スケジュールは、すでに外国人食品産業技能評価機構のホームページで公開されています。

また農林水産省のホームページにおいて、1号技能測定試験、2号技能測定試験それぞれの学習用テキストのリンクが掲載されているため、試験勉強に活用しましょう。

外食業分野

外食業分野でも、外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施主体となり、外食業特定技能測定試験が行われています。

試験の申し込みは、外国人食品産業技能評価機構のホームページでユーザーアカウントの新規登録を行い、マイページにログインする必要があります。

試験は年2回行われていますが、申し込みは抽選制です。申し込みが殺到した場合、抽選により試験を受けられないケースもあります。一次募集、二次募集でそれぞれ申請期間が分かれているため、詳しい日程は外国人食品産業技能評価機構のホームページで確認してください。

特定技能試験に合格するためのポイント

資格の勉強をするスマートフォンを持った外国人

外国人労働者の方が、特定技能試験に合格するためのポイントは以下のとおりです。

  • 日本語試験は2種類の試験から得意な方を選択する
  • 所管省庁が作成した無料のテキストで勉強する

特定技能試験は、技能実習生として日本で働いている方が受験することも可能です。特定技能の在留資格を取得すると、日本で働き続けられる期間が延びるため、技能実習生から特定技能外国人への移行を目指す方もいます。

その場合は上記の2つのポイントを念頭に置いて、試験合格に向けたサポートを行いましょう。

日本語試験は2種類の試験から得意な方を選択する

まずは2種類の日本語試験の中から、自分にとって有利な方を選びましょう。

特定技能のうち、特定技能1号を取得するには、技能試験の他に日本語試験の合格が必要です。この日本語試験は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が共同で実施する日本語能力試験(JLPT)と、国際交流基金が実施する日本語基礎テスト(JFT-Basic)の2種類があります。

日本語能力試験(JLPT)は、幅広い場面における日本語能力を問う総合的なテストで、N1からN5まで5段階のレベルに分かれています。特定技能1号を取得するには、N4レベル以上(上から2番目)の合格が必要です。

一方、日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日常生活における日本語でのコミュニケーション能力に焦点を当てた試験です。日本語能力試験(JLPT)と違い、レベルは1つしかありません。日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格すれば、特定技能1号の取得に必要な日本語能力水準を満たしたという扱いになります。

日本語能力試験(JLPT)と日本語基礎テスト(JFT-Basic)では、試験の実施方法も異なります。日本語能力試験(JLPT)はマークシート方式ですが、日本語基礎テスト(JFT-Basic)はコンピュータを用いたCBT方式です。2種類の日本語試験を比較して、合格できそうなものを選びましょう。

所管省庁が作成した無料のテキストで勉強する

次に所管省庁が作成した無料のテキストを活用し、試験勉強を行いましょう。

特定技能試験を実施している所管省庁は、外国人の受験者を対象として、無料の学習用テキストを提供しています。

例えば、介護分野の場合、介護技能評価試験や介護日本語評価試験の合格に必要な知識を学べる「介護の特定技能評価試験学習用テキスト」や、介護現場で使われる専門用語を学べる「外国人のための介護福祉専門用語集」などが公開されています。

また厚生労働省の補助事業によって開発された日本語自律学習支援ツール、「にほんごをまなぼう」では、外国人の方が日本語能力試験のN3に相当する水準の日本語を学ぶことが可能です。

なお、特定技能試験を受けるにはお金がかかります。しかし所管省庁が作成した無料のテキストをうまく活用することで、お金を節約しながら特定技能試験を受験できます。

特定技能試験の概要や合格するためのポイントを知ろう

特定技能試験は、在留資格の特定技能を取得するために受験する必要のある試験です。2020年4月1日から受験資格が拡大されたため、在留資格を取得して日本に滞在している人であれば、誰でも一律に受験できます。

特定技能試験は、介護分野やビルクリーニング分野など、分野別に試験内容が分かれています。どの分野でも、一定の技能や専門性を確認する問題が出題されるため、所管省庁が作成した無料のテキストなどを利用し、しっかりと試験対策をしましょう。

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私たちANSONG協同組合は「日本企業の素晴らしい技術」と「中国および東南アジアの技術不足という課題」の架け橋となり、外国人技能実習制度を通し、御社の事業と日本経済の発展に寄与します。

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