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2022.01.17
技能実習生の受け入れ人数は何人まで?
技能実習生の受け入れ人数は何人まで?
技能実習生の受け入れ人数は、受け入れ企業が自由に決められるわけではありません。
技能実習制度の技能移転を円滑に遂行し実習生を適正に保護する観点から、実習がきちんと行われるように、受け入れ先の規模や方式などによって受け入れ人数には上限が設定されています。
ここでは、受け入れ人数が何で決まるのか、また、実習実施者である企業が優良要件を満たした場合に受け入れ人数はどのように変わるのか、具体的に見ていきましょう。
技能実習生の受け入れ人数は何で決まる?
まずは、技能実習制度では「企業単独型」と「団体監理型」という2種類の受け入れ方式があることを抑えておきましょう。
技能実習生の受け入れ人数は、この方式が「企業単独型」か「団体監理型」かで変わってきます。
当組合のように事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体) が技能実習生を受け入れ、日本企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方法が「団体監理型」となります。
一方で、日本企業が直接海外の支店や関連企業等から社員を受け入れ、技能実習を実施する方法は「企業単独型」となります。
企業単独型は受け入れ手続き等を自社で全て担わなければならず、非常にハードルが高いことから企業単独型は全体の僅か2.8%程度。ほとんどの企業が団体監理型(97.2%)を採用しています。(2018年末時点)
それでは、受け入れ人数はどのように決まるのでしょうか?
「基本人数枠」というものが実習実施者の常勤職員の総数に応じて決められています。
ここで言う常勤職員には、既に実習を受けている技能実習生の数は含まれません。この基本人数枠を基準として、団体監理型なのか、企業単独型なのかで受け入れ可能人数が決定します。
また、優良実習実施者・優良監理団体は受け入れ人数を増やすことができます。
この優良実習実施者と認められるためには、外国人技能実習機構(OTIT)へ「優良要件適合申告書」を提出し、満点(120点)の6割以上の得点を獲得する必要があります。
さらに、在留期間最大である技能実習第3号(在留4~5年目)の受け入れを行うためには、監理団体も上記の優良監理団体(一般監理団体)である必要があります。
尚、いずれの受け入れ方式の場合にも実習生の人数は以下を超えてはなりません。
- 1号:常勤職員の総数
- 2号:常勤職員の総数の2倍
- 3号:常勤職員の総数の3倍
第1号(1年間)の受け入れ可能人数
ここでは、第1号技能実習(在留資格「技能実習第1号ロ」)の受け入れ可能人数を見てみましょう。第1号技能実習は入国後1年目の技能等を修得する活動です。以下、団体監理型で受け入れを行った場合を前提に説明します。
第1号の在留期間は1年または6ヶ月、法務大臣が指定する1年を超えない期間となっています。また、職種や業務に細かな制限はなく、どの職種も受け入れが可能です。
受け入れ前には、実習実施者は外国人技能実習機構へ技能実習計画を申請し、認定される必要があります。実習計画作成にあたっては、監理団体からの指導が必要になりますので、事前にしっかり準備を進めましょう。
第1号の受け入れ可能人数は表に示した通りであり、実習実施者である企業の常勤職員の数によって決められています。
企業の規模やリソースに応じて、適正に実習が行われるよう考慮された数字となっています。
基本人数枠
常勤職員数 | 技能実習生の人数 |
30人以下 | 3人 |
31人~40人以下 | 4人 |
41人~50人以下 | 5人 |
51人~100人以下 | 6人 |
101人~200人以下 | 10人 |
201人~300人以下 | 15人 |
301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 |
元データ:技能実習生とは(JITCO)
常勤職員とは?
では、「常勤職員」とはどの範囲までカウントしてよいのでしょうか。
外国人技能実習機構(OTIT)の資料によると、
『常勤の職員は、技能実習生を受け入れている実習実施者に継続的に雇用 されている職員(いわゆる正社員をいいますが、正社員と同様の就業時間で継続的に勤務している日給月給者を含む。)』
とされています。
尚、既に企業内で実習を受けている技能実習生は常勤職員には含まれません。
第2号(2年間)の受け入れ可能人数
次に、2~3年目の技能等に習熟するための活動である第2号技能実習(在留資格「技能実習第2号ロ」)について見ていきます。ここでも団体監理型を前提に説明します。
1年目の第1号から2年目以降の第2号に移行が可能な職種・作業は決められており、85職種156作業(第3号移行対象職種は77職種135作業)が対象となっています。(2021年3月時点)
また、第1号から第2号へ移行する際には、学科と実技を含めた所定の試験に合格する必要があります。実習実施者は合格へ向けて試験の申し込みからサポートまでしっかりと行いましょう。
第2号の受け入れ人数は以下、表の通りとなります。
常勤職員数 | 技能実習生の人数 |
30人以下 | 基本人数枠の2倍 |
31人~40人以下 | |
41人~50人以下 | |
51人~100人以下 | |
101人~200人以下 | |
201人~300人以下 | |
301人以上 | 常勤職員数 × 1/20 |
元データ:技能実習生とは(JITCO)
30人以下の企業の受け入れイメージ
それではここで、常勤職員30人以下の企業のケースを例に挙げて、受け入れのイメージをしてみましょう。
常勤職員30人以下の場合、基本人数枠が第1号で3人、第2号で倍の6人となります。
1年目にまず第1号を3人受け入れます。
2年目は第1号が第2号へ移行し第2号が3人に、さらに第1号を新たに3人受け入れ合計6人。
3年目、第2号は2年間の在留期間であるためそのまま第2号が3人、新たに第1号から第2号へ移行した3人で第2号は合計6人となります。さらに新たに受け入れた第1号が3人、合計9人。ここで基本人数枠を最大に使い切っています。
実習実施者が優良要件に適合している場合
実習実施者である企業が優良要件に適合すると、受け入れ人数を増やすことができます。以下の表の通り、優良要件適合者であると基本人数枠の2倍~6倍まで受け入れることが可能になります。
また、第3号の受け入れに関しては、実習実施者が優良要件適合者であるだけでなく、監理団体も一般監理団体(優良と認定された監理団体)である必要があります。同時に人数枠も増加します。
通常(基本人数枠) | 優良要件適合者 | |||
常勤職員数 | 1号 | 1号 | 2号 | 3号 |
30人以下 | 3人 | 基本人数枠の2倍 | 基本人数枠の4倍 | 基本人数枠の6倍 |
31人~40人以下 | 4人 | |||
41人~50人以下 | 5人 | |||
51人~100人以下 | 6人 | |||
101人~200人以下 | 10人 | |||
201人~300人以下 | 15人 | |||
301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 |
元データ:技能実習生とは(JITCO)
優良要件適合者の受け入れイメージ
では次に、優良要件適合者が受け入れを行った場合の例を挙げてみます。
常勤勤務30人以下の企業のケースです。この場合、受け入れ可能人数が、第1号が6人、第2号が12人、第3号が18人となります。
以下の表では、基本人数枠の2倍に当たる6人を毎年受け入れ続け、第1号は第2号に、第2号は第3号に移行するケースを示しています。在留期間はそれぞれ異なり、第1号は1年目、第2号は2,3年目、第3号は4,5年目となります。
表からも分かる通り、毎年第1号を最大の6人ずつ受け入れても、その後の受け入れ枠には余裕が出ることがわかります。
企業側では、こうした受け入れイメージをもって準備しておくことが大切です。存分に国際貢献ができるように計画を立てておきましょう。
まとめ
ここまで技能実習生の受け入れ人数について詳しく解説してきました。実際に現場に何名ほどの実習生を受け入れられるか、イメージができたのではないでしょうか。
受け入れ人数枠が定められている背景には、適正に、丁寧に実習を遂行できるように、という考えがあります。また、実習実施者が実習生一人一人にきちんと向き合えるように、適切な環境を提供できる最大人数として設計されています。
ぜひ実習実施者の皆さんは、この人数枠を適正に、かつ最大限に活用できるように準備を整えましょう。
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